株式会社ウッズ・コーポレーション

中国の証券市場

中国の上場市場は、大きく4つに分かれます。上場審査基準が厳しいものから、一板市場、二板市場、三板市場、四板市場とあります。一板・二板は中央人民銀行直轄の証券取引所で、三板・四板市場は地方人民政府が管轄の店頭市場となっています。

中国の証券市場

一板

一板はメインボードとも言われ、一般的に上場条件として「時価総額が5,000万元以上」「開業後3年以上経過し、直近3年間継続して利益を上げていること」など、最も上場基準が厳しい市場です。上海と深圳に取引所があり、中国の大企業が上場する証券市場で、日本の東証一部・二部に相当する市場です。国内投資家向けのA株と、外国人投資家向けのB株の二種類が取引されています。深圳市場には「深圳中小企業板」があり、中国本土の中小企業が上場しています。

二板

二板は、創業板とも言われ、上場の条件として「純資産が2,000万元以上」「純利益が1,000万元以上」「直近2年間継続して利益を上げていること」等があります。二板市場では企業の将来性が重視されるという点が特徴です。中国版ナスダック的な市場で、深圳証券取引所にあり、日本の東証マザーズに相当する市場です。

三板

三板は、新三板とも言われ、全国中小企業株式譲渡システムを使用した2012年9月から開始された比較的新しい市場です。機関投資家及びプロの個人投資家のみを対象とする市場のため、上場基準はそれほど厳しくないが、明確なビジネスモデルがあることや会社運営やコーポレートガバナンスしっかりいるということが条件になっています。日本における地方の新興市場(セントレックス)などに相当する市場ですが、日本の場合、上場基準は厳しくなっています。また、中国のナスダックと称されることもあります。新三板市場は地方人民政府の管轄の登録制です。事前審査から登録まで半年程度でIPOできることも魅力になっています。上場(登録)には以下の6つの条件を満たす必要があります。

1. 法により設立され、かつ 2 年以上存続している株式会社であること。有限責任会社が全体として株式有限会社に転換した場合には、存続期間は有限責任会社の設立日から起算する。
2. 業務が明確で、持続経営能力を有すること。
3. 会社のコーポレートガバナンスが健全で、会社運営が規範化されていること。
4. 株主権利が明確で、株式発行と譲渡行為が法律法規に違反しなかったこと。
5. スポンサー証券会社の推薦を経て、かつ持続的な監督・指導を受けること。
6. 全国株式譲渡システム会社が要求したその他の条件。
(月刊 海和金融資本情報 より)

資金調達方法として第三者割当増資のほか、社債発行も可能です。また、「一板」、「二板」への市場変更制度も設けられています。

四板

四板は、新四板とも言われ、三板よりも上場審査基準が緩和されています。新四板、Q板、前海新四板などがあり、場外株式取引所管轄の店頭(OTC)市場になっています。

上場には以前は明確なビジネスモデルがあれば社歴は問われない市場も多かったのですが、上場するだけで実働しない会社が後を絶たない為、2017年に1年以上存続しビジネスが成り立っていることが条件に追加されました。深圳の前海新四板は1年以上会社が存続していることに加えて、銀行残高、売上額、資産額など財務的な条件もあり、四板の中で最も上場審査が厳しくなっています。

四板と三板の違いは、1 維持コスト、2 利用できる資金調達方法、3 株価決定メカニズム、などがあります。

一時期、上海Q板への登録が話題になりましたが、上海Q板への集中と店頭登録後稼働しない会社が多く出たため、現在はエリアが限定され、会社の所在地にある四板市場への登録をするようにルールが変更になりました。

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