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福建省とは

中国南東部、台湾海峡に臨む省。北は浙江(せっこう/チョーチヤン)、西は江西、南は広東(カントン)の各省に接します。唐代に福州と建州(現建甌(けんおう))の各一字をとって福建と称したのが始まりで、清(しん)代に福建省となりました。面積12万平方キロメートル、人口3304万6317人(2000年)。9地区級市、14県級市、46県から成ります。省都は福州市。(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)より)

福建省は60.5%が森林で覆われ「中国南部の緑の宝庫」と言われています。また約9割が山地となっており「東南の山国」と言われることもあります。天然の良港として知られ、「海のシルクロード」はこの地を起点としていました。福建省に外国の文化と産物をもたらした鄭和(東南アジア、インド、アラビア、アフリカにまで航海した14世紀 明の時代の武将。)にとっても重要な港でした。

福建省の「県民性」と言えば、主に勤勉、団結、辛抱強い、商売上手、冒険志向など挙げられます。山がちで平地が少ないため耕作地が少ない上に人口が多いということに加え、「海のシルクロード」の起点でもあったため、多くの移民を生んでいます。世界各地にいる福建省出身の華人は1500万人を超え、海外華人の4分の1を占めていると言われています。(一番多いのは広東省出身者)

また、福建省は現在国家主席の習近平氏が1985年に厦門(アモイ)副市長となってから2002年に福建省省長を退任するまで17年間、政治家生活の大半を過ごした場所としても有名。福建在任中、習近平氏は台湾との協力を提唱し、エコ省の建設、効率向上とサービス型政府の建設を打ち出しり、自ら外向型経済〈輸出指向型経済〉の発展と基盤産業づくりを推進しており、福州市の大型外資プロジェクトは、多くが習近平氏の在任中に導入されたものです。現在も「自由貿易試験区の制定」などに関して第2級都市であるにもかかわらず国家プロジェクトには必ずと言っていいほど参画しています。

GDP比較

福建省全体の人口は約3,800万人。都市では一番人口の多い泉州市が約830万人、省都の福州市が約730万人です。

福建省統計局によると2016年の域内総生産(GDP)は前年比8.4%増の2兆8,519億1,500万元(約46兆9,600億円)でした。(イランのGDPと同じぐらい。デンマークやノルウェーよりも上)これは中国全体の10位であり、上海や北京などの特別市よりも多い数字です。

■各都市毎のGDP・ランキングTOP(2015)
23位 泉州 6150 億元,前年比 8.5%増(人口:829 万)
28位 福州 5670 億元,前年比 9.4%増(人口:734 万)
52位 厦門 3565 億元,前年比 7.0%増(人口:367 万)
76位 漳州 2700 億元,前年比 10.9%増(人口:496 万)

2016年の 「一人当たり可処分所得の水準を伸び率」に関して、福建がちょうど伸び率において全国平均あたりであり、一人当たり可処分所得の水準においても中間に位置しています。そのため、中国市場を戦略的に展開する場合、テストマーケティングをするのに最適な省であると言えます。